不動産投資を始める際に、リスクを抑えるためにワンルームから始めたいと思っている方もいるのではないでしょうか。ワンルームの投資はイニシャルコストが抑えられるので、アパートやマンションの一棟投資よりも始めやすいと言われています。しかし、多くの失敗例があるのをご存知でしょうか。
ワンルーム投資で起こった失敗例からリスク回避の方法を学べば、失敗のないワンルームの不動産投資を行うことができます。そこでこの記事では、ワンルーム投資で起こりうる失敗の原因やとるべき対策、成功するためのポイントについてご紹介します。
【関連記事】不動産投資は計画性が大切|不労所得がプラスに転じるまでの流れ
アパートやマンションの一棟投資だと少なくとも5,000万円~1億円程度の資金を用意する必要がありますが、ワンルームの投資は2,000~3,000万円台と比較的少ない資金で始めることができます。
ただし、不動産には購入資金以外にも、経年劣化による修繕などランニングコストもかかります。また、ローンを支払い続けることができるかどうかも重要です。以下では、ワンルームの不動産で失敗しやすいポイントを見てみましょう。
ワンルーム不動産投資の対象とする物件が中古マンションの場合、築年数の長さを気にしないと失敗する可能性が高くなります。なぜならば、築年数と設備の修繕費は比例するからです。
築年数が経過している中古物件は、建物内の配管設備、給水設備などが劣化していることが多く、購入してからすぐに大がかりなメンテナンスで高額な修繕費を支払わなければならないといったこともあるでしょう。
特に30年を超える中古マンションの場合、50%以上が設備の劣化により建て替えを検討しているという国土交通省の調査報告もあります。せっかく安く購入できたり利回りが高かったりしても、支出の方が上回ってしまえば、資本が回収できず失敗してしまうということが考えられます。
ローンの返済は、基本的に毎月の家賃収入を充てることになります。空室が続いてしまうことで想定した収入を得られない場合、賃貸をつけるために家賃を下げることも考えなければなりません。家賃を下げた結果、返済額に不足が生じた際は実費で補わなければならなくなり、修繕など予期せぬ出費が重なることでローンが返せなくなる事態が起こり得ます。
【関連記事】不動産投資のリスクとは?失敗を回避するためのコツも併せて紹介!
ワンルームの不動産投資で失敗しやすいケースには、購入後に設備トラブルが続出することがあげられます。中古マンションのワンルームの場合、見た目は綺麗でも築年数が長いほど内部が劣化してしまっていることがあります。特に数十年を超える築年数の建物は、今の法律の基準を満たしていない場合もあるため注意が必要です。
以下では、購入後すぐにトラブルに見舞われてしまう原因と対策について紹介します。
中古マンションの耐用年数の短さが、失敗の原因のひとつとしてあげられます。耐用年数はその建物の価値の寿命のようなもので、建物の構造や用途によって法律で定められています。
中古マンションは築年数が経過している分、この耐用年数も短くなっています。例えば鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年です。
あくまでも税法上の価値がなくなるまでの期間なので、実際に住めなくなるというわけではありません。しかし古いマンションは今よりもコンクリートの開発技術などが劣るため、やはり耐用年数の短さは失敗の原因になります。
瑕疵担保責任は、その建物に売主の知らない瑕疵(=欠陥)があった場合、売主側が修繕費などを保証する責任です。買主が売主に責任を追及できるのは、民法では瑕疵を発見した日から1年以内と期間が定められています。つまりこの期間を過ぎた場合は売主側に瑕疵担保責任はなくなります。
2000年には住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)が施行され、10年と定められましたが、対象は新築住宅だけなので中古マンションには適用されません。
マンション購入時に瑕疵担保責任があるかどうかといったことは重要事項説明時に確認できます。重要事項説明とは、物件を売買する際に物件や取引に関する重要事項を宅地建物取引士が説明することです。重要事項説明を行うことは、法律によって義務付けられています。
この重要事項説明の中に瑕疵担保責任の履行に関する措置の内容も含まれており、必ず説明されます。瑕疵担保責任の有無については、このタイミングで確認するようにしましょう。
建物の修繕の必要性などについては、修繕履歴や修繕積立金の状況、管理組合の修繕計画を確認するなどして見極める必要があります。
中古物件は購入価格が安いという魅力がありますが、先に紹介した通りランニングコストが高くつくなど多くのリスクを抱えることになります。そこで失敗しないための対策として、新築の建物を購入するのもひとつの方法です。
例えば、1990年代の鉄筋コンクリートの寿命は60年と言われていたものが、2000年代には100年と言われるなど、マンション開発の技術力は日々進歩しています。
新築であれば品確法における瑕疵担保責任が適用されるなど、万が一の場合でも買主が修繕費を負担するリスクを最小限に抑えることもできます。
中古マンションにこだわりたいならば、瑕疵担保責任がないことを加味して予算を立てるようにしましょう。マンション経営における失敗は、予期せぬ突然の出費が発生して資金繰りが悪化することです。購入後すぐに高額の修繕をしなければならないなど、予想していない出費が突然起こります。
あらかじめそうしたリスクに備えて予算を立てておけば、万が一の場合でも大きなダメージを防げます。瑕疵担保責任がない物件を購入する際には、修繕に備えた予算組みをしておきましょう。
多くの不動産会社では、空室リスクなどに備えて「家賃保証」というシステムを用意しています。しかし家賃保証をあてにして取るべき対策をしなかったがゆえに、ローン返済ができなくなってしまったというケースもあります。以下では、家賃保証をあてにしてはいけない理由や、とるべき対策について紹介します。
不動産投資では、利回りの高さだけで物件の購入を決める方がいます。利回りは投資金額に対してどれくらいの利益が見込めるかを示すもので、重要な判断材料です。しかしあくまでも入居率100%を前提に計算されているものなので、実際の入居率によって大きく利回りは変わってきます。
特にワンルーム投資の場合は、入居者がいないとその期間の家賃収入はゼロになってしまいます。そのため、利回りよりも空き室のリスクをしっかりと考慮しておく必要があります。
家賃保証という安心プランがある一方、免責期間があることに気がつかないこともあります。免責期間は、家賃が発生しない期間は不動産会社から何も支払いしないという「支払い免除の期間」です。不動産管理会社から不動産オーナーへ支払われるのは「家賃」だけなので、入居者がいない場合は家賃がないため収入になりません。
また家賃保証を導入した場合、基本的に家賃を決める権利は不動産管理会社にあります。「リフォームをしなければこの家賃を保証できないので『リフォームをするか』『保証を外すか』選んでください」というケースもあります。リフォームをすれば余計な出費につながり、保証を外すと安定した収入にならずローンがいつまでも返せません。
上述した免責期間や家賃の決定権利などのほかにも「保証される家賃の額が何年も一定ではない」「家賃のみで管理費は受け取れない」など、管理会社によってシステムの内容もさまざまです。家賃保証で保証される範囲を、管理会社にしっかり確認するようにしましょう。
家賃保証が充実していても、空室に対する対策はしっかり行う必要があります。いつまでも入居者が決まらない場合には、家賃を下げるのもひとつの方法です。たとえ利回りが低くても、空室率の低い方が高い収益をあげられる場合もあります。物件を購入する際には、空室率についても考慮するようにしましょう。
ワンルーム不動産投資の失敗事例としては、不動産会社の言葉を鵜呑みにして失敗するというケースもあります。そうした失敗をしないためには、どのような点に気を付ければよいのかをご説明します。
「不動産会社の人が言っていることなら間違いないだろう」と考え、自分で考えることをやめてしまう方は失敗する傾向にあります。提案された場合には一度考える時間を持って、情報や評判などを招集して判断するようにしましょう。
収支計算のシミュレーションができるようになると、自分でも損得を考えて投資ができるようになります。例えば、以下のようなワンルームマンションを金利2%、頭金なし借入期間30年で購入した場合、満室時と入居率90%の時とで価格に大きな差があることがわかります。
<マンションの情報>
価格:2,000万円
利回り:5.64%
諸経費率(※):15%
家賃:9.4万円(27㎡)
所在地:東京メトロ銀座線 浅草駅 徒歩10分
築年数:27年
※諸経費は、毎月、毎年固定されている必要経費です。諸経費には、管理費、修繕積立金、管理委託料、固定資産税を含みます。
<計算式>
年間手取り収入=年額家賃収入-年間支出(年間返済額+年間家賃収入×(空室率+諸経費率))
満室時の年間手取り 1,128,000円-(887,088円+1,128,000円×15%)=73,413円
入居率90%の年間手取り 1,128,000円-(887,088円+1,128,000円×(10%+15%))=-39,588円
収支計算で重要なのは満室時だけを想定して計算するのではなく、入居率が90%になったり家賃が下がったりあらゆる事態を想定して計算することがおすすめです。ただし、中古の物件にはずさんな管理がされているケースもあります。満室時であっても、突発的な出費が発生して、マイナスになることもあるので注意しましょう。
不動産会社のおすすめする物件を疑いもなく購入しないためにも、どんな物件が買いなのかを勉強しておくようにしましょう。今は昔と違って、不動産投資に関する知識がネットや書籍で簡単に手に入りますし、初心者向けにわかりやすく解説されている本もあります。
経験の豊富な不動産仲間と意見交換することで、必要な知識や失敗談を学ぶことができます。SNSなどネット上で募集したりセミナーなどに出席したりして、積極的に交流しましょう。
ここまではワンルームの不動産投資、とくに中古マンションにおける失敗例の原因や対策についてご紹介しました。中には「やっぱり不動産投資はリスクが高い」と感じた方もいるのではないでしょうか。
そこで最後はワンルーム不動産投資を成功させるためのポイントを3つご紹介します。
ワンルーム不動産投資で成功するための1つ目のポイントは、条件がよい物件を見極めてローンを低金利で長期間借りることです。長期間借りることで、毎月の支出を抑え手取り額を増やし余裕を持った経営ができます。
期間が短いと毎月の返済額が高額になり、想定していなかった出費が発生した場合には、高額の返済と出費で経営ができなくなることもあります。リスクを最小限にするためにも、期間は長い方がよいと言えるでしょう。
支出が減れば余裕のある時に繰り上げ返済ができ、金融機関の評価も高くなるため、次の投資をする際の大きなメリットになります。
不動産投資の基本はその物件にニーズがあるかどうかで決まります。たとえ利回りが良くてもワンルーム不動産投資は入居者がいなければ家賃収入がゼロになってしまいます。
そうしたリスクを回避するためには、立地の良い物件を探しなるべく安く購入することです。立地の良い物件とは、安定的なニーズがあって資産価値が落ちにくい東京23区などの物件です。
地方の物件は価格こそ安いですが人気がなければ空室リスクは大きくなります。そのため、多少高くとも首都圏で物件探しをすることがワンルーム投資で成功するポイントです。
築年数の古いマンションを選ぶ際には、新耐震基準で建てられた物件を購入しましょう。昭和56年以前に建てられた物件は新耐震基準ではないため、地震などの災害が発生した際に大きな損害が生じる可能性があります。新耐震基準のマンションであれば震度6強~震度7の地震でも倒壊しない水準となっているため、どんなに古くても昭和57年以降の物件を選ぶようにしましょう。
【関連記事】不動産投資のやり方を購入から管理・運用までわかりやすく紹介
毎年多くのお客様がトーシンパートナーズでマンション経営をスタートしています
将来に漠然とした不安を抱えてはいるものの、なにをしたらよいかわからない……。
トーシンパートナーズではそんなお悩みを抱えるみなさまに、マンション経営をご案内しています。
マンション経営と聞くと空室の発生や、家賃の下落・滞納・資産価値の下落などの不安要素が思い浮かぶかもしれません。ですがパートナーとなる会社次第で、ご不安は限りなくゼロに近づけることができます。
家族のために、自分のために、未来の安心のために、ローリスク&ロングリターンな資産運用を始めてみませんか?
ワンルーム不動産投資にもさまざまな失敗談がありますが、不動産投資に必要な知識を身に付け、物件を見極める力をつけることで失敗する確率を下げることができます。瑕疵担保責任の有無や物件の耐用年数、家賃保証のシステム、収支計算のシミュレーションなどの知識は覚えておきましょう。ただし、個人で勉強するだけでは限界もあるため、不動産投資の専門家に相談するのもひとつの方法です。
トーシンパートナーズは不動産投資のプロフェッショナルとして、さまざまな不安や疑問に丁寧にお答えしています。これから不動産投資を始めようとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。