不動産投資には、空室リスクや家賃下落リスク、老朽化リスク、金利上昇リスクといった様々なリスクがありますが、自己破産することはあるのでしょうか。
不動産投資に興味をお持ちの方に向けて、不動産投資で破産に至るリスクの度合いや、自己破産をする主なケース、自己破産を避けるための方法などについて紹介していきます。
不動産投資で破産することはありますが、そのケースはごくわずかです。
東京商工リサーチが公表した2023年3月期の「国内106銀行『金融再生法開示債権』の状況調査」によると、債権合計に対する金融再生法開示債権の割合を示す、開示債権比率は1.27%です。
金融再生法開示債権とは、金融機関が金融再生法に基づいて、開示が求められている債権を指します。債権は「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」「危険債権」「要管理債権」「正常債権」の4つに分類され、このうち金融再生法開示債権に該当するのは、正常債権以外です。
つまり、金融再生法開示債権には破産した債権だけでなく、回収リスクの高い債権も含まれており、さらに不動産投資に限ったものではありません。そのため、不動産投資で破産するケースは極めて少ないといえるのです。
東京商工リサーチ|2023年3月期決算
金融再生法開示債権比率は1.27%、貸倒引当金積み増し48行に減少
不動産投資で自己破産に至る要因として、主に次の3つのケースが挙げられます。
物件選びを誤り、入居者がつきにくい物件を購入してしまうと、空室期間の長期化や家賃の下落によって、想定していた家賃収入が得られなくなります。投資物件の購入後に発生する諸費用の見込みが不十分な場合は、支出が家賃収入を上回るリスクが高くなります。また、不動産投資ローンをフルローンや高金利のローンで借り入れると、家賃収入に対する返済額が大きいため、不測の事態が起きたときにすぐに返済に行き詰まりやすいことが考えられます。
不動産投資で投資物件選びを誤ると、想定していたような家賃収入を得るのが難しくなり、自己破産につながることがあります。
不動産投資は安定した収入が得られる投資物件を選ぶのが基本です。投資物件を選ぶ際には、「最寄り駅からの徒歩分数」「都心へのアクセスのしやすさ」「エリアとしての人気」「企業や大学の有無」といった点から、賃貸需要があるかを見極めることがポイントとなります。しかし、物件選びに失敗して、空室期間が長引いたり、家賃を下げなければ入居者が入らなかったりするような状況では、キャッシュフローが悪化していきます。
収支計画を立てるにあたって、投資物件の購入後に発生する管理費や税金、修繕費用といった諸費用の見込みが不十分な場合も、自己破産に陥る要因となります。
不動産投資で収益を得るには、家賃収入から各種支払いを引いたキャッシュフローが黒字となる必要があります。しかし、月々の家賃収入からローンの返済額や諸費用を引いて赤字となる状態が続くと、自己資金から補填し続けることになります。やがて、自己資金での支払いが困難になると、自己破産に至る可能性が高まります。
不動産投資ローンにおいて、頭金ゼロのフルローンや高金利のローンを利用してしまった場合も、自己破産に至る要因となります。
フルローンや高金利のローンでは、家賃収入に対して月々の返済額が大きくなることが多いです。そのため、空室期間が長引いたり、家賃の滞納が発生したりした結果、想定した家賃収入が得られなかったり、金利が上昇して月々の返済額が増えたりした場合、支払いが困難な状況に陥りやすいです。
不動産投資で自己破産に至る一般的な流れをまとめました。
ローンの返済を滞納しているからといって、突然、自己破産するわけではありません。ローンの返済が滞った結果、物件が競売にかけられても残債が残ってしまった場合、返済が困難であれば、自己破産の手続きを進めるという選択肢があります。
不動産投資で自己破産をすると、債務はなくなりますが、生活に様々な影響が生じます。
不動産投資で自己破産を回避するためには、次のポイントがあります。
不動産投資で自己破産を避けるためには、安定した家賃収入を得るための方法として、入居率を上げるための対策を講じることや家賃保証をつけることが挙げられます。また、ローン返済が苦しくなってきた段階では、任意売却によって物件を売却するという選択肢もあります。
不動産投資で自己破産しないためのポイントの一つとして、安定した家賃収入を得るために、入居率を上げる対策をとることが挙げられます。
入居率が低く、空室期間が長引くようでは、想定していた通りに家賃収入を得ることができず、キャッシュフローが悪化します。そこで、入居者に長く住み続けてもらうための対策や、退去となった場合にすぐに次の入居者を見つけるための対策を講じることが大切です。
たとえば、「水回りなど老朽化が気になる箇所をリフォームする」「入居者のトラブルに迅速に対応する」「客付けの得意な管理会社を選ぶ」といった対策が考えられます。
不動産投資で自己破産しないために安定した収入を得るための対策として、家賃保証をつける方法があります。
家賃保証とは、サブリース会社とオーナーが賃貸借契約を結び、サブリース会社が借上げた物件を入居者に貸すシステムです。サブリース会社は契約に基づいて、オーナーに家賃の85~90%程度の保証賃料を支払います。オーナーは入居者と直接、契約する場合よりも、入居者がいるときに得られる収入は減りますが、空室のときにも保証賃料が支払われるため、安定した収入を得られるというメリットがあります。
自己破産を避けるためには、ローン返済が苦しくなった段階で物件を売却するという選択肢があります。
ローンを借りている場合は、通常、物件に抵当権が設定されているため、金融機関に無断で売却することはできません。ただし、金融機関の合意を得て売却を行う、任意売却という方法があります。
競売にかけられると、市場価格よりも安価で取引されるのが一般的であり、残債が残るリスクが高くなります。一方、任意売却であれば、一般的な物件と同様に市場価格で取引されるため、競売よりも高値での売却が期待できることから、競売よりも残債を抑えられます。
ローン返済が滞ってしまい、今後も返済が難しい場合には、速やかに金融機関に相談することが大切です。
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不動産投資で自己破産を避けるためには、物件の選定が重要であり、賃貸需要が見込める物件を選ぶことが大切です。また、数多くの不動産会社がありますが、不動産投資のパートナーとなる不動産会社は、長い歴史を持つ信頼できる会社を選ぶようにしましょう。