【実話】かぼちゃの馬車事件から学ぶ不動産投資を行うときの注意点を解説

「かぼちゃの馬車」事件は2018年頃に社会問題になりましたが、不正の仕組みや問題点を詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。当時は有名芸能人を起用したテレビCMや番組の特集などでも取り上げられ、投資に詳しくない層にも広く知られるきっかけになりました。

かぼちゃの馬車事件が「なぜ起きたのか」「どのような仕組みだったのか」を知ることで、不動産投資のリスクや注意点が理解できるでしょう。

そこで本記事では、かぼちゃの馬車事件をわかりやすく解説し、不動産投資を行うときの注意点を紹介します。本記事を読んで、かぼちゃの馬車事件の問題点を理解し、不動産投資のリスクを軽減しましょう。

目次

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    不動産業界で起きた「かぼちゃの馬車」事件とは?

    かぼちゃの馬車とは、株式会社スマートデイズが企画・販売していた女性専用シェアハウスのブランド名です。サラリーマンや公務員などの不動産投資家に対して、サブリースという形で販売していました。

    サブリースとは、サブリース会社(管理会社)が投資家の不動産を一括で借り上げ、入居者に転貸する形態をいいます。オーナーは、入居者募集や家賃回収などの運営を任せられるため、本業が忙しい人でも始めやすい点が魅力です。

    不動産投資家は、スルガ銀行から1億円ほどの融資を受けてかぼちゃの馬車を購入していました。しかしサブリース契約を締結したスマートデイズは、わずか数年で経営破綻に陥ってしまったのです。

    この事件は、お金の流れが止まった瞬間にオーナーの収支が崩れたことが大きなポイントです。
    資金の流れを整理すると、以下のようになります。

    1. 金融機関(スルガ銀行)が投資家に融資を実行する
    2. 投資家が融資資金で物件を購入する
    3. サブリース会社(スマートデイズ)が物件を運営し、入居者から家賃を受け取る
    4. サブリース会社が投資家へ「保証賃料(家賃)」を支払う
    5. 投資家は受け取った賃料をもとに、金融機関へローン返済を続ける

    本来はこの流れで運用できるはずでしたが、スマートデイズの資金繰りが悪化し、投資家への賃料支払いが止まりました。すると投資家は、家賃収入が入らない一方で、ローン返済だけは止められない状態に陥ります。

    その結果、自己破産せざるを得ない不動産投資家が続出し、「かぼちゃの馬車」事件として社会問題にまで発展しました。

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    かぼちゃの馬車事件の問題点

    かぼちゃの馬車事件の問題点は以下のとおりです。

    • 高額なキックバックを上乗せした販売価格
    • スルガ銀行の不正融資
    • 空室が続き運営が悪化
    • 安心を強調したサブリース提案

    それぞれ詳しく解説します。

    高額なキックバックを上乗せした販売価格

    スマートデイズは、かぼちゃの馬車の施工会社に対して、高額なキックバックを要求していました。

    キックバックとは、自分の商品を扱う企業に対して、謝礼目的で支払う「謝礼金」や「報酬金」のことです。

    施工会社からキックバックを受け取ること自体は違法ではありませんが、通常は施工費の2〜3%であるのに対し、スマートデイズはコンサル料として50%の法外なキックバックを要求していたのです。

    施工会社は高額なキックバックを支払うために、施工費に上乗せせざるを得なくなり、不動産価値に見合わない販売価格になりました。

    販売価格は1億円を超えていましたが、実際の価値は6,000万円程度しかありませんでした。

    スルガ銀行の不正融資

    かぼちゃの馬車の販売価格は1億円を超えていたため、ほとんどのオーナーがローンを組んで購入しました。しかし、1億円を超えるローンを組める方は多くありません。スマートデイズは、ローン審査を通過させるために、購入希望者の資産状況を改ざんし、スルガ銀行はこれを黙認していたのです。

    スルガ銀行の公表資料では、投資用不動産融資の審査資料について、収入やレントロール(賃料一覧)などで「改ざん・偽造等」の不正が認められた案件があったと整理されています。さらにシェアハウス関連の融資では、全1,647件のうち886件で不正が認められたと示されています。

    そもそも投資用不動産の融資は、物件の収益性と、借り手の年収や資産状況をもとに判断されます。一般的な融資では自己資金を1割ほど用意し、残りを借り入れる形が多いです。物件の収益性が高く、銀行評価も十分に取れる融資は、投資が安定しやすい「良い(健全な)融資」と言えます。

    一方で、物件価格や家賃が相場より高い場合、銀行が算定する物件評価は伸びにくくなります。すると、不足分を借り手側の信用力で埋める構造になりやすく、少しの空室や家賃下落でも返済が苦しくなる「悪い(無理な)融資」になりがちです。かぼちゃの馬車は、まさにこの悪い融資に該当しやすい条件だったにもかかわらず、書類の改ざんによって審査を突破してしまいました。

    また、通常であれば1億円以上の不動産を購入するには頭金が1,000万円必要ですが、スルガ銀行はそれを不要にし、あたかも頭金が支払われたかのように見せかけました。

    つまり、スルガ銀行はスマートデイズと結託して不正融資を行い、かぼちゃの馬車のオーナーは、資産状況に見合わない高額なローンを背負わされてしまったのです。

    参照:スルガ銀行株式会社「報告書(投資用不動産融資に係る全件調査)」

    空室が続き運営が悪化

    かぼちゃの馬車は、立地が良くないことに加え、入居者のニーズが十分に考えられていない間取りであったため、入居率は40%程度と非常に低い状態でした。サブリースは、サブリース会社(管理会社)が物件を一括で借り上げ、入居者に転貸しながら、オーナーへ賃料を支払う仕組みです。

    オーナーへ支払う保証賃料が周辺相場とかけ離れていると、空室が増えてしまいます。すると、入居が想定どおりに進まず、入居者から得る家賃収入よりオーナーへ支払う賃料が上回る「逆ざや」が起こりやすくなります。

    空室が大量に発生してスマートデイズの赤字が増えた結果、かぼちゃの馬車のオーナーに支払う賃料がなくなり、オーナーはローンの返済が困難な状況に陥りました。

    最終的に、スマートデイズは経営破綻し、自己破産するオーナーが続出したのです。

    安心を強調したサブリース提案

    サブリースは、オーナーの管理負担を減らしながら、家賃保証によって収入を安定させられる仕組みです。かぼちゃの馬車では「30年保証」「空室でも安定」などの謳い文句で提案していました。さらに利回り8%以上といった数字も示され、堅実に利益が出る投資のように感じて契約に進んだ方もいたようです。

    しかし実態は、入居が想定どおりに進まず、スマートデイズ側の資金繰りが悪化していきました。その結果、オーナーへ支払う賃料が滞り、収入が途絶える一方でローン返済だけが残る状況に追い込まれたのです。

    サブリースの仕組み自体が危険なのではなく「保証が成り立つ前提」と「提案内容の現実性」を確かめないまま契約が進んでしまった点が問題です。利回りや保証内容だけで判断せず、不動産会社の信頼性や説明の整合性まで含めて慎重に見極めましょう。


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      かぼちゃの馬車で問題となったサブリースは危険?

      サブリースとは、サブリース会社(管理会社)がオーナーの所有している不動産を借り上げ、オーナーに代わって入居者に不動産を転貸する仕組みです。サブリース契約は違法な契約ではありません。

      かぼちゃの馬車事件の手法が、偶然サブリースであっただけであり、不動産投資家にとっても以下のメリットがあります。

      • 安定した収入を得られる
      • 不動産の管理と運営の手間から解放される
      • 空室・滞納リスクを回避できる

      サブリース契約をすることで、オーナーは賃貸業務から解放されます。賃料保証があるプランであれば、空室・滞納の有無に関係なく安定した収入を得られます。

      サブリースは決して危険な手法ではありませんが、かぼちゃの馬車事件のようなトラブルに巻き込まれないためには、サブリース契約を締結する企業を厳選するほか、契約内容をしっかりと確認したうえで締結することが重要です。

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      かぼちゃの馬車事件が不動産投資に与えた影響

      かぼちゃの馬車事件は、投資家の被害だけでなく、不動産投資そのものの見られ方にも大きな影響を与えました。事件後は、金融機関の融資姿勢が厳しくなり、投資用ローンの審査も慎重になったといわれています。

      また、サブリース契約をめぐるトラブルを防ぐために制度面の整備も進みました。ここでは、かぼちゃの馬車事件後に不動産投資を取り巻く環境がどう変わったのかを解説します。

      投資用ローン審査が厳格化した

      事件後は、投資用不動産ローンの審査が厳格化したといわれています。以前は、会社員や公務員など収入が安定している属性であれば融資が通りやすい場面もありました。しかし現在は、年収基準や担保掛目などがより重視され、返済能力を慎重に見られるようになっています。

      加えて、サブリースの勧誘や契約トラブルを抑える目的で「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(サブリース新法)」に基づくルール整備も進みました。そのため投資家側も、契約条項の確認や、登録制度などのルールに沿った事業者かどうかを重視しながら判断する必要があります。

      提案の「根拠」や「裏付け」を自分で確認する姿勢が重視されるようになった

      事件では「家賃保証で安定する」「高利回りで堅実に増やせる」といった説明が魅力的に映り、リスクが小さい投資に見えたことも背景にあります。さらに、銀行融資が通った事実が安心材料になり、提案内容の妥当性を深く疑いにくい状況が生まれやすかった点もあります。

      事件後は、保証が成り立つ前提や契約条件を確認し、根拠を押さえたうえで判断する姿勢がより重視されるようになりました。甘い説明だけで決めず、数字や条件を自分の目で確かめながら検討することが大切です。

      不動産投資で被害に遭わないための5つの注意点

      不動産投資でかぼちゃの馬車事件のような被害に遭わないためには、以下の注意点を押さえておきましょう。

      • 投資目的を明確にする
      • 必ず複数の不動産会社を比較する
      • 利回りや価格だけで物件を決めない
      • 不動産運用と返済の長期シミュレーションを入念に行う
      • 銀行や不動産会社任せにせず自分で判断する力を身につける

      それぞれ詳しく解説します。

      投資目的を明確にする

      不動産投資で後悔を避けるためには、最初に投資目的を明確にしておくことが大切です。目的が曖昧なままだと「利回りが高い」「家賃保証で安心」といった言葉だけで判断しやすく、リスクや前提条件の確認が甘くなる可能性があります。

      一方で目的が決まると、物件選びや収支シミュレーションで確認すべきポイントも整理しやすくなるはずです。たとえば毎月の手残りを重視するのか、老後の備えとして長期保有を前提にするのかによって、優先すべき条件や取るべき戦略は変わってきます。まずは「何のための投資か」を言語化したうえで、判断基準をはっきりさせていきましょう。

      必ず複数の不動産会社を比較する

      不動産投資を行う際は、不動産会社を複数社比較しましょう。

      不動産投資において不動産会社選びは重要な要素であり、自己利益のために不正を行うような悪徳な不動産会社を選んでしまうと、失敗するリスクが高くなるためです。

      不動産会社を比較する際は、以下の点を確認しましょう。

      • 不動産投資の実績が豊富であるか
      • 不動産投資のリスクも説明してくれるか
      • 現実的なシミュレーションを提案してくれるか
      • 購入後のサポート体制が充実しているか

      誠実な不動産会社を選べば、不動産投資の成功率を高められるため、しっかり比較検討するようにしましょう。

      利回りや価格だけで物件を決めない

      頭金が安い、利回りが高いなどのセールスがあっても、安易に物件を購入しないように注意しましょう。そのような物件は築年数が古いケースが多く、空室リスクが高かったり、高額な修繕費がかかったりと、実際の利回りが低くなる恐れがあるためです。

      物件を選ぶときは、以下の項目も重視しましょう。

      • 立地
      • 築年数
      • 管理費・修繕積立金
      • 間取り
      • 総戸数
      • 入居率
      • 周辺の家賃相場

      利回りや価格だけで物件を決めるのではなく、総合的に判断することが重要です。

      不動産運用と返済の長期シミュレーションを入念に行う

      不動産運用やローンの返済は長期にわたるため、さまざまなリスクを考慮したうえでシミュレーションを行いましょう。

      具体的には、以下のようなリスクを考慮する必要があります。

      • 空室リスク
      • 家賃滞納リスク
      • 家賃の下落リスク
      • 物件価格の下落リスク
      • 自然災害のリスク
      • ローン返済のリスク

      不動産の築年数が古くなるにつれて、これらのリスクは顕在化します。空室で収益がない場合や家賃が下がった場合など、あらゆるリスクを想定して計画や対策を立てることで、不動産投資の成功率を高められます。

      銀行や不動産会社任せにせず自分で判断する力を身につける

      かぼちゃの馬車事件は、銀行までもが不正に加担した前代未聞の事件でしたが、これを教訓にして、専門家を過信しないようにしましょう。

      不動産投資の世界は、高利回りや優良物件などの甘い言葉で投資家を勧誘するケースが多いため、情報収集を行い、自分で判断する力を身につけることが重要です。

      専門家から提示された資料が必ずしも正しいとは限りません。見積もりが甘いことや数字が期待値であるケースも十分に考えられます。専門家の情報を鵜呑みにせず、きちんと自分で調べて判断するようにしましょう。

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      まとめ

      「かぼちゃの馬車」事件とは、株式会社スマートデイズが女性専用シェアハウスを不動産価値に見合わない価格でサブリースとして販売し、経営破綻によって多くの不動産投資家が自己破産に陥った事件です。

      サブリースは危険な手法ではありませんが、サブリース契約の内容を吟味するほか、締結する不動産会社は厳選しましょう。

      不動産投資は、空室や家賃下落など他の投資にはないリスクがあります。不動産投資を成功させるためには、入念な長期シミュレーションを立て、専門家任せではなく自分で判断する力を身につけることが重要です。

      かぼちゃの馬車事件でよくある質問

      かぼちゃの馬車事件はいつ起こりましたか?

      かぼちゃの馬車事件は、2018年頃に問題が表面化し、社会問題として広く認知された出来事です。ただし、2018年に突然、問題が起きたわけではありません。

      販売を拡大する中で「高い家賃保証」や「高利回り」を前提に契約が進みましたが、入居が想定どおりに伸びず、次第に資金繰りが悪化していきます。その結果、サブリース賃料の支払い停止などをきっかけに、問題が一気に表面化しました。

      かぼちゃの馬車事件の結末はどうなりましたか?

      事件後、オーナー側は弁護団を通じて対応を進め、スルガ銀行との交渉や法的手続きへ発展しました。2019年には調停の申立てが行われ、2020年3月には解決合意に至っています。

      この合意では、返納不能に陥っていた投資の扱いが整理されました。購入した不動産を引渡す形で調整が進み、ローン返済の負担を抱え続ける状況に、一定の区切りがついた形です。

      かぼちゃの馬車とスルガ銀行の関係は?

      かぼちゃの馬車では、多くのオーナーがスルガ銀行の融資を利用して物件を購入し、家賃収入で返済する前提で投資を進めていました。ところが融資審査の資料では、収入資料や賃料一覧(レントロール)などで改ざん・偽造が認定されたケースがあったと報告されています。

      さらに調査報告では、不正の兆候がある資料が含まれていたにもかかわらず、融資が実行されていた点も問題視されています。その結果、スルガ銀行は行政処分を受け、事件後は投資用ローンの審査やサブリース契約の確認がより厳格化する流れにつながりました。

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