不動産投資の成功率は?
成功率を上げるためのポイントや
失敗しやすいパターンを紹介

アパート経営やマンション投資などの不動産投資は、当然のことながら儲かる人もいれば、失敗する人もいます。不動産投資は、どの程度の成功率・失敗率なのでしょうか。

不動産投資をこれから始める方に向けて、成功率の考え方について触れたうえで、失敗するパターンや成功率を高めるポイントなどについて解説していきます。

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    不動産投資とは

    不動産投資とは、マンション、アパート、ビルなどの投資物件を購入して賃貸し、収益を得る投資手段です。

    不動産投資をする人の目的はいくつにも分かれています。

    【不動産投資の目的】

    不動産投資は管理会社のサービスを利用すれば、運用の手間があまりかからないため、家賃収入から諸経費を引いて手元に多くの現金が残れば、不労所得となります。

    また、投資物件の建物部分の購入費用は、法定耐用年数で分割した減価償却費を必要経費として計上できます。これにより、帳簿上は不動産所得が赤字になると、給与所得や事業所得との損益通算によって、所得税や住民税の節税対策となります。

    不動産投資ローンの利用にあたって団体信用生命保険に加入していると、万が一、借入期間中に死亡した場合には、残債が保険金で一括返済されます。遺族は投資物件を相続し、家賃収入を手にすることができるため、生命保険代わりにもなるのです。

    不動産投資の成功率・失敗率

    不動産投資は人によって目的が異なることから、何を持って成功と捉えるかにも違いがあります。たとえば、少しでも副収入を得たい人と、不動産投資のみで生活したい人では、成功の難易度が大きく異なります。

    また、不動産投資の成功率・失敗率の公的な統計データは存在しません。キャッシュフローがプラスであれば成功と定義するとしても、家賃収入から管理費や修繕費用、固定資産税などの諸経費を引いたキャッシュフローを報告する制度はないためです。「不動産投資の成功率は10%程度」といわれることもありますが、客観的な根拠にもとづいた確率ではないのです。

    ただし、不動産投資の知識を身につけて、目的を明確にしてから取り組むなど、成功するためにできることはあり、反対に失敗しやすいパターンというものも存在しています。


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      不動産投資で失敗するパターン

      中古マンションへの投資で失敗する主な原因として、不動産投資に関する勉強不足やリスクへの理解不足、あるいは価格や利回りだけを見て簡単にとびつく、目的が定まっていないといった点が挙げられ、失敗するパターンとなりやすいです。

      不動産投資で成功する人を目指すために知っておきたい、よくある失敗するパターンをみていきます。

      不動産投資について十分勉強をしていない

      不動産投資について十分に勉強せずに始めると、自分で投資の判断が適切に行えないことから、失敗につながりかちです。たとえば、「上司や同僚が不動産投資をしていて、軽い気持ちで始めた」「不動産会社の営業の話を鵜呑みにして、良い物件だと思って購入してしまった」といったケースが挙げられます。

      不動産投資では何千万円といった価格の投資物件を購入するため、ほとんど知識なく始めるのは大きなリスクがあります。

      価格の安さや利回りに飛びつく

      販売価格が安い物件や利回りが高い物件に飛びつくと、想定していたよりも収益が得られず、失敗につながる要因となります。

      価格が安い物件には、築年数や駅からの距離、内装・設備のグレードなどに関わる何かしらの理由があり、よく見れば適性価格というケースもあります。

      また、利回りが高い物件も、不動産広告に記載されているのは、通常、想定される年間家賃収入を購入価格で割った「表面利回り」です。たとえば、築年数の経過した物件は修繕費用がかさむため、諸経費を加味した「実質利回り」は低くなることがあります。あるいは、次の更新時に家賃を下げざるを得ず、利回りが下がることも考えられます。

      投資物件を検討する際には、物件価格の相場や家賃の適正水準を踏まえて検討することが大切です。

      リスクの確認をしていない

      不動産投資には空室リスクや滞納リスク、老朽化リスクといった様々なリスクがあるため、失敗を避けるためにはリスクに対する備えが必要です。

      空室リスク

      空室リスクとは、入居者がなかなか見つからず、空室期間に家賃収入が入らなくなるリスクです。

      空室リスクを避けるには、賃貸需要が高いエリアで立地条件のよい物件を選び、入居者募集に強い賃貸管理会社を利用するといった対策が挙げられます。

      滞納リスク

      滞納リスクとは、入居者が家賃を滞納して、家賃収入が入らなくなるリスクをいいます。単に入居者が支払いを忘れていたケースは大きな問題ではありませんが、入居者が支払えずに滞納が続いた際に強制退去を求めるには裁判が必要になるなど、対応にお金も手間もかかります。

      滞納リスクを避けるためには、入居時の審査基準を厳しくする、あるいは家賃保証会社の利用を必須とするといった対策があります。

      老朽化リスク

      老朽化リスクとは、築年数の経過によって建物が老朽化して、想定を上回る修繕コストが発生するリスクをいいます。

      老朽化リスクを抑えるには、一定の築年数で必要となる修繕工事や修繕費用の相場を把握し、将来の修繕工事に備えておくことが必要です。そこで、修繕工事に関するノウハウのある賃貸管理会社を選び、適切な水準の修繕費用を積み立てておきます。購入を検討している物件は長期の修繕計画があるか必ず確認しましょう。

      金利上昇リスク

      金利上昇リスクとは、不動産投資ローンの金利が上昇して、月々の返済額が増えるリスクのことです。金利上昇によってローン返済額が増えると、キャッシュフローが悪化することが考えられます。またローンの元本が減りにくくなり、利息の支払い総額も増えてしまいます。

      金利上昇リスクに備えるには、頭金を入れて借入額を減らす、繰り上げ返済をするといった方法があります。

      自然災害リスク

      自然災害リスクとは、地震や台風などの災害によって、投資物件が損害を受けるリスクです。

      自然災害リスクに備えるには、地盤が強いエリアの物件を選び、ハザードマップをチェックして災害リスクの高いエリアは避けるのが基本です。また、火災保険では地震による損害は補償されないため、火災保険とセットで地震保険にも加入すると、万が一に備えられます。

      不動産投資をする目的が定まっていない

      投資物件は不動産投資を行う目的に合わせて選ぶため、目的が定まっていないと、失敗につながる可能性があります。

      たとえば、安定した家賃収入を得るのが目的の場合は、都心にアクセスしやすく、高い入居率を維持できる物件が向いています。一方で所得税・住民税の節税に向いているのは、築年数の経過した中古の区分所有マンションです。不動産投資による不動産所得では、投資物件の購入価格のうち減価償却費として計上できるのは、建物の部分です。マンションは購入価格に占める土地の割合が小さく、古ければ短い年数で割って減価償却費を必要経費として計上できるため、節税効果が高まります。

      しかし、不動産投資をする目的が曖昧な状態で、築年数の経過した中古の区分所有マンションを購入すると、空室期間が長く続くことがあることから、家賃収入を得られない期間が続き、失敗する可能性があります。

      不動産投資の成功率を上げるポイント

      不動産投資の成功率を上げるには、投資物件を検討する際に賃貸需要の有無や資産価値を確認する、慎重に収益を計算するといった点がポイントとなります。また、不動産投資に関する知識を身につけておくほか、信頼できる管理会社・不動産会社を選ぶといった準備も重要です。

      需要の有無・資産価値を確認する

      投資物件を検討する際には、賃貸需要があるエリアに立地しているか、資産価値がある物件であるかという点を確認することが大切です。賃貸需要が高いエリアであれば、空室になってもすぐに入居希望者が現れることが考えられますが、賃貸需要が低いエリアでは、空室期間が長引くことが危惧されるためです。賃貸需要を確認するには、人口動態や世帯数の推移などの統計データをチェックするほか、実際に現地に足を運んで周辺環境を把握するといった方法があります。

      たとえば、学生街のように賃貸需要が高いエリアもあれば、持ち家が中心で購入需要が高いエリアもあるなど、エリアによって様々な特性があります。

      収益性の計算は慎重に行う

      収益性の計算をしっかりと行わないまま購入を決断すると、実際に賃貸経営を始めてからキャッシュフローが赤字になることに気づく可能性があります。

      不動産広告に記載された表面利回りが高さに惑わされて、収支を計算せずに購入するのは避けるべきです。多くの家賃収入が得られても、管理費や修繕費用、固定資産税といった支出も多いため、必要経費を踏まえた実質利回りを計算して検討を行うべきです。

      また、空室期間が長引いて家賃収入が入らずマイナスになる期間がある可能性も念頭において検討しましょう。

      信頼できる管理会社・不動産会社を選ぶ

      不動産投資で成功するには、パートナーとなる管理会社・不動産会社選びが重要です。不動産会社は投資家のニーズに合った物件を紹介し、収支計画書の作成、キャッシュフローのシミュレーションなどを行う役割を担っています。管理会社は、入居者の募集や契約業務、家賃の回収、修繕工事などの賃貸管理を行います。不動産会社が賃貸管理も行っている場合もあります。

      不動産投資は不動産会社などのサポートを受けて行うのが一般的であり、信頼できる会社を選ぶことが重要です。ワンルームマンションなどの投資物件の取扱い実績が豊富にあるか、管理状況を定期的に報告する体制があるか、入居者募集が強いかといった点が見極めのポイントとなります。

      投資について学び積極的に参加する

      信頼できる管理会社・不動産会社の営業を見つけることは重要ではありますが、すべてを鵜呑みにするのは厳禁です。不動産投資で成功するには、自分自身でも考えて投資判断をするなど、積極的に関与していくことが大切です。そのために必要な知識を身につけておくことが成功への近道です。

      不動産投資で利益が出る仕組みはもとより、不動産賃貸業や不動産取引に関わる法律、金融などに関する知識を身につけておきましょう。

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      まとめ

      不動産投資には公的な成功率や失敗率のデータはなく、何を持って成功とするかは目的によって異なります。不動産投資で失敗する人は不動産会社の営業の言うことを鵜呑みにしていることが多く、十分な知識を身につけていなかったり、目的を設定していなかったりするなど、準備不足も大きな要因です。不動産投資で成功する可能性を高めるには、不動産会社選びに力を入れ、購入を検討している物件の収益性の計算をしっかりと行うといった点が重要です。