取材日:2023/03/23
不動産投資は、投資した資金から定期的にインカムゲインを得て、最終売却により投資資金を回収するという(キャピタルゲイン・ロス)金融商品と類似した性格を持っています。その為、株や債券、投資信託と組み合わせてリスク分散を図る、オルタナティブ投資としてポートフォリオに組み込む等、有効な手法です。貸賃不動産は一棟と区分所有、アパートとマンション、それぞれ新築と中古があり、物件ごとにメリット・デメリットがあると考えます。新築区分マンションを選んだのは、長期でインカムゲインを得られること、減価償却メリットをフルに享受できること、一棟と違い、異なるエリアに複数持つことでリスク分散できること、マーケット環境によりキャピタルゲインが見込めることが理由です。
金融商品と不動産の大きな違いは、ボラティリティ(価格変動)の大小、元本毀損の可能性の高低、バックファイナンス(※)有無等です。不動産投資はミドルリスクミドルリターンでありながら、金融商品と比較するとリスクリターンのトータルメリットは不動産の方が大きいと考えます。人口減少が進む日本において、コロナ禍の影響はありましたが、東京は流入超過を続けています。大手デベロッパーの再開発計画を見ても、首都圏の街づくりが今後益々進み、東京への人口流入は止まらないとの見立てです。現在の日本において、東京はこの要件を満たし得る希少で魅力のあるエリアと言えると思います。(※資金調達の手段のひとつ)
不動産投資の要諦は「立地と管理」に尽きます。管理に関しては、貴社の場合、自社グループで建物も賃貸契約も管理しているため、大きな安心感があります。一方で立地に関しては、購入した後は変えようがありません。それ故に最寄り駅から徒歩5分~10分以内の物件を私は所有しています。どんな好物件でも最寄り駅から20分以上離れてしまうと、空室が発生して稼働率が低下します。また物件の周辺環境も重要です。そのエリアが再開発対象地区で大企業や学校が移転してくると人の流入が増えますし、伴って賃貸需要も増加します。その地域が今後どうなるのか、将来性を十分考慮して中長期スパンで見たときに、賃貸ニーズはあるのか、高稼働率を維持できるのか、その観点から物件をしっかり見ることが肝要です。
欧米亜に比べると日本国内の不動産は、海外ファンドもまだまだ魅力を感じるマーケットです。歴史的な低金利環境、単身者層の都心流入、将来性あるエリアの立地と貴社の優れた管理があれば、投資する意義は引き続き十分あると考えます。キャッシュリッチな人が手元資金だけで物件購入するという投資の仕方もありますが、十分な資金がなくても不動産投資は可能です。借り入れを活用することで資金を調達し、投資効率を上げることができます。借り入れに対する抵抗感を乗り越え、不動産に投資することができるかどうか、この決断を下せるかが大きなポイントです。不動産投資の借り入れには、団体信用生命保険という最大のメリットがあります。もし自分に万が一のことがあった場合、負債は全額返済になるため、相続税負担はありますが、家族に資産を残せる効果があります。運用するだけでなく、保険としても活用できるという不動産投資特有のメリットをご理解される方は一歩踏み出されることをお勧めします。