不動産投資ローンと住宅ローンは何が違う?
相違点を徹底解説

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不動産投資について調べていて、不動産投資ローンと住宅ローンの違いが気になっているという方もいるのではないでしょうか。不動産投資ローンは、家賃収入を得る目的の収益用不動産を購入するためのローンです。住宅ローンは、自宅となる物件にのみ適用されます。

似た内容に思えるかもしれませんが、この2つのローンはまったく違う融資制度です。違いを知ることで、目的に適したローンを選べます。そこでこの記事では、不動産投資ローンと住宅ローンの相違点や活用方法についてご紹介します。

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    不動産投資ローンと住宅ローンの違い

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    不動産投資ローンと住宅ローンの大きな相違点は、他人に貸して収益を得るのか自分が住むのかという物件購入の目的です。この目的を基準にして、さまざまな違いがあります。ここでは6つの相違点を見ていきましょう。

    借入の目的

    住宅ローンと不動産投資ローンは、物件の購入費用にあてるものと考えると似たローンに思えるかもしれません。しかし、融資の対象になる物件の使用目的が違います。

    住宅ローンは、自宅の購入や増改築に充てるためのローンです。借り入れする本人が居住する自宅にかける費用を補填することを目的とします。賃貸経営を目的とした物件の購入費用には使えません。

    不動産投資ローンは、不動産投資で収益を得るために組むローンです。収益用不動産を購入する場合には、住宅ローンではなく不動産投資ローンを組む必要があります。

    金融機関の審査基準も、物件の使用目的に合わせたものです。住宅ローンを組んで収益用不動産の購入費用にあてることは、重大な契約違反にあたります。

    返済原資

    住宅ローンと不動産投資ローンでは、何を返済原資とするかにも違いがあります。返済原資とは、借入金の返済にあてる資金のことです。住宅ローンの返済原資は、一般的には毎月の給与収入です。住宅用のローンである住宅ローンでは、個人の労働による収入から返済原資を捻出します。

    住宅ローンは、あくまで個人の消費にかかわるローンです。返済原資の考え方は、ほかの個人向けローンと基本的に変わりません。

    一方で不動産投資ローンの場合、返済原資は毎月の家賃収入です。収益用不動産のためのローンである不動産投資ローンでは、賃貸経営によって入居者から得られる家賃収入から返済原資を捻出します。個人の投資家であっても、賃貸経営という事業をすることが前提です。

    融資金額

    融資金額にも違いがあります。住宅ローンより不動産投資ローンのほうが、融資金額の上限は高額です。個人に対する融資なのか、事業をする投資家に対する融資なのかという違いと言えます。

    住宅ローンの融資金額は、個人の年収の5倍~8倍が上限です。一般的には5倍~6倍が上限ですが、個人の属性次第では7倍~8倍になることもあります。

    不動産投資ローンの融資金額は、年収の10倍~20倍が上限となることもあります。この金額の大きさは、家賃収入だけでなく給与収入や貯蓄も加味されることが理由といえます。

    初めての不動産投資ローンでも、年収500万円の人が5,000万円、あるいは1億円を借り入れることも可能です。融資の可能金額、個人の属性や物件の収益性により変わってきます。

    融資の金利

    住宅ローンと不動産投資ローンでは、融資金額だけでなく融資の金利についても違いがあります。住宅ローンよりも不動産投資ローンのほうが、金利は高くなるのが一般的です。この違いは、貸し倒れのリスクの差によります。

    住宅ローンの金利は、年利0.5%~2.0%程度です。給与収入は、個人が勤続するかぎりは大きく減ることはありません。給与収入を返済原資とする住宅ローンは、貸し倒れのリスクが低いために低金利といえます。

    不動産投資ローンの金利は、年利1.5%~4.5%程度です。融資金額が大きい不動産投資ローンでは、返済金額も大きくなります。しかし、返済原資である家賃収入は、常に一定とはかぎりません。空室や家賃の下落が起こることもあるので、貸し倒れのリスクが高くなります。

    そのため安定した収益が見込める物件では、不動産投資ローンでも金利が低くなる傾向です。

    融資審査の内容

    住宅ローンと不動産投資ローンでは、融資審査の内容にも違いがあります。個人の信用度だけを見るのか、物件の収益性も見るのかという違いと言えるでしょう。

    住宅ローンでは、個人の属性が融資審査の基準です。属性は、個人の返済能力や信用度にかかわります。具体的には、年収、勤続年数、貯蓄金額、他社での借入金額、金融事故の履歴などです。

    不動産投資ローンでは、個人の属性に加えて物件の収益性も入念にチェックします。物件が建っているエリアや築年数、家賃設定や過去の物件売買の履歴などです。どのような物件を選ぶかということも、融資を受けられるかどうかを左右します。

    金融機関により融資審査の基準は異なるため、ある銀行で融資審査に通らなかったとしても、別の銀行では通る可能性もあります。

    制限

    住宅ローンと不動産投資ローンでは、法人名義で契約できるかどうかも違います。住宅ローンで費用を補填する物件には、契約者が居住することが前提です。自宅用のローンであり、法人名義では契約できません。

    不動産投資ローンで購入する物件は、入居者に貸し出して家賃収入を得る賃貸経営のために運用します。給与収入ではなく不動産収入を得る事業のためのローンであり、法人名義での契約が可能です。

    また、契約者の年齢の制限にも違いがあります。住宅ローンでは、返済原資が給与収入となることが一般的です。定年を加味して、年齢の上限は65歳~70歳未満ほどに設定しています。

    不動産投資ローンでは、返済原資が賃貸経営による家賃収入です。物件の収益性や資産状況によっては、70歳以上での借入もできます。

    不動産投資ローンを組んでいると住宅ローンが組めない?

    不動産投資ローンを組むと住宅ローンが組めなくなるのか、ということについても見ておきましょう。上述のとおり、不動産投資ローンは年収の10倍~20倍という高額の融資を受けられます。

    不動産投資ローンを組んでいる状態は、他社からの借入金額が大きい状態です。住宅ローンの融資審査をする金融機関は、個人の返済能力を判断します。すでに返済能力の上限に近づいているため融資審査に落ちやすい、というのが一般的な認識かもしれません。

    融資審査に通りやすいとは言えませんが、条件次第では融資を受けられます。住宅ローンの上限額は年収の5~8倍です。この金額内であれば、2つのローンをあわせて返済比率が大きすぎなければ融資が受けられます。

    返済比率とは、年収にしめる年間返済額の割合です。金融機関によっては、不動産収入を給与収入と合算して考えます。融資審査の基準は一定ではないものの、不動産収入が大きいほど住宅ローンの審査も有利です。

    自宅と投資用物件ならどちらを先に買うべき?

    不動産投資ローンと住宅ローンの両方の融資を受けたい場合は、どちらを先に組むとよいのでしょうか。

    不動産投資で収益を得て生活が豊かになっても、住宅ローンが通らないために賃貸住宅で暮らすというシナリオも考えられます。あくまで理論上ですが、結論から言えば、先に不動産投資ローンを組む方が効果的です。

    不動産投資ローンを組んで収益用不動産を購入すると、家賃収入が発生します。この収入を年収とみなす金融機関は少なくありません。年収を増やすことは、融資の上限額を引き上げることにもつながります。

    収益用不動産を購入すれば、自然と住宅ローンの上限額も上がるということです。逆に、住宅ローンを先に組むと融資金額を圧迫するため、不動産投資ローンの融資金額は目減りします。

    ただし金融機関によって審査に対する考え方の違いがあり、個々人の経済的な状況によっても融資の可否は変わるため一概には言えません。購入を検討している方は販売の担当者などに自身の考えを伝えておくことをおすすめします。


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      住宅ローンで投資用物件は購入できる?

      住宅ローンで収益用不動産を購入できないかと考える人もいるかもしれません。ここまでご紹介したとおり、住宅ローンは自宅としての物件に対する融資です。基本的に、住宅ローンでは収益用不動産は購入できません。

      自分が住むために購入した物件を結果的に他人に貸すことになった、という特別な事例もあります。しかし、不動産投資を前提としているにもかかわらず住宅ローンを利用するのは契約違反です。

      この契約違反があるかどうかは、物件の購入後も金融機関がチェックしています。契約違反が認められた場合には、残債の一括払いとなることが通例です。最悪の場合、詐欺罪に問われることもあるので注意しましょう。

      住宅ローンを利用して不動産投資をしようとする人がいる理由

      住宅ローンは、自宅用の物件のための融資です。これがわかっているにもかかわらず、住宅ローンを利用して不動産投資をしようとする人がいます。

      住宅ローンの金利は変動金利で年利0.5%~2.0%程度です。年利1.5%~4.5%程度になる不動産投資ローンに比べれば低金利であり、審査基準も比較的緩いと言われます。

      金利や審査といったローンの基本的な条件だけで見ると、住宅ローンのほうが有利です。これらを理由として、収益用不動産に住宅ローンを利用したいと考える人は少なくありません。

      ただし住宅ローンと偽って金融機関から借り入れを起こして不動産投資に利用することは当然のことながら不正です。ローンが実行されたとしても偽装が発覚すれば一括返済を求められることもあります。不動産業者からすすめられたとしても実行に移すことはやめましょう。

      不動産投資ローンを利用するメリット

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      ここからは不動産投資ローンを利用するメリットについてご紹介します。不動産投資ローンの利用によって、少ない初期費用で大きな利益を得ることや節税効果を生むことを見ていきましょう。

      レバレッジ効果がある

      レバレッジ効果とは、投資における「テコの原理」のことです。少ない投資で多額の利益を上げることを言います。不動産投資においては、融資を利用して少ない自己資金で大きな収益を得ることです。

      不動産投資ローンを利用すると、物件価格の大部分を融資でまかなえます。少ない頭金で済むうえ、収益性の高い物件が生む利益は高額です。レバレッジ効果により、投資金額に対する利益率である「投資利回り」が高まります。

      たとえば、3,000万円の投資で30万円の利益を得るのではなく、300万円の初期費用で3,000万円の物件を購入して30万円の利益を得るということです。

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      まとめ

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      ここまで見てきたように、不動産投資ローンと住宅ローンはまったく違う融資制度です。収益用不動産を購入する人は、オーナーとして賃貸経営という事業をします。

      収益用不動産を購入するなら、不動産投資ローンを利用するのが原則です。不動産投資を始めると、現物資産である不動産そのものがもつ節税効果も望めます。

      不動産投資でわからないことがあれば、不動産投資のプロからアドバイスを受けると安心です。不動産投資を始めたいとお考えなら、トーシンパートナーズにご相談ください。