- 不動産投資の基礎知識
不動産投資で失敗しない返済比率の目安は50%以下!リスクを抑える5つのポイントを解説

不動産投資で安定した収益を得るためには、家賃収入とローン返済額のバランスが重要です。その判断基準として使われるのが「返済比率」という指標です。初心者の方には聞き慣れない言葉かもしれませんが、金融機関の融資審査にも使われる重要な数値です。
本記事では、返済比率の定義や計算方法、具体的なシミュレーションを交えて解説します。不動産投資の収支管理に不安がある方や、これから融資を検討している方はぜひ参考にしてください。
不動産投資における「返済比率」とは?計算方法も解説

不動産投資では、物件価格や利回りばかりに目が行きがちですが、実際の経営においてはローンの返済をどれだけ家賃収入でまかなえているかが重要な視点になります。その判断材料となるのが「返済比率」です。ここでは、返済比率の基本的な意味や具体的な計算方法をわかりやすく紹介します。
返済比率とは
返済比率とは、投資用不動産の年間家賃収入に対して、ローンの年間返済額がどの程度を占めているかを示す指標です。不動産投資における資金繰りの安全性を測るうえで、非常に重要な目安となります。
例えば、物件の年間家賃収入が300万円で、ローンの年間返済額が150万円だった場合、返済比率は50%です。この数値は「その物件の収入のうち、半分がローン返済に充てられている」ことを意味します。
返済比率が低ければ低いほど、キャッシュフローにゆとりが生まれ、突発的な出費や空室が発生しても収支が大きく崩れるリスクを抑えられるでしょう。一方で、返済比率が高いと、少しの空室や修繕費が発生しただけでも赤字に転落しやすくなり、結果として長期的な経営の安定性が損なわれます。
また、返済比率は物件の収益性だけでなく、投資家自身の「返済能力」を測る指標としても活用されます。金融機関はローン審査の際に、この数値を用いて「この人は安定して返済できるのか」「追加融資は可能か」といった判断を行います。返済比率が高すぎると、たとえ自己資金が多くても融資を断られるケースは多いです。
そのため安易に返済比率を高く設定すると、将来的な再投資や資産形成の足かせになる可能性があります。物件購入時には、必ずこの指標を意識しましょう。
不動産投資における返済比率の計算方法
返済比率の計算は、以下の計算式で求められます。
ローン返済額(年間)÷ 満室時の家賃収入額(年間)× 100 = 返済比率(%) |
この数値が高くなればなるほど、ローン返済の負担が大きいことを意味します。満室状態での収入を基準に計算するのは「最も良い経営状態でもどれだけ返済負担が重いか」を確認するためであり「満室でも返済比率が高い=空室が出たらさらに厳しくなる」というリスクの目安になります。
ここで、いくつかの具体例で返済比率を見てみましょう。
【返済比率シミュレーションの実践例】
・年間家賃収入300万円・年間ローン返済額150万円の例
150万円(ローン返済額)÷ 300万円(家賃収入)× 100 = 50%(返済比率) |
・年間家賃収入300万円・年間ローン返済額165万円の例
165万円(ローン返済額)÷ 300万円(家賃収入)× 100 = 55%(返済比率) |
・年間家賃収入300万円・年間ローン返済額180万円の例
180万円(ローン返済額)÷ 300万円(家賃収入)× 100 = 60%(返済比率) |
上記のシミュレーションからもわかるように、年間15万円の返済増加でも返済比率は5%ずつ上昇し、経営の安定性に大きく影響します。返済比率は物件購入前に必ず確認し、50%以下に抑える資金計画が安定経営への第一歩です。
不動産投資の適正な返済比率の目安【50%以下】

不動産投資においては、返済比率を50%以下に抑えることが「安全運用の目安」として広く認識されています。このラインを超えると、空室や修繕などの突発的な出費があった際に、キャッシュフローが赤字に転落してしまうリスクが高まるためです。
例えば、年間家賃収入が200万円ある物件で、ローン返済額が120万円となれば返済比率は60%となります。この水準では、空室が続いたり複数の部屋で同時に退去が発生したりすると、毎月の返済が自己資金からの持ち出しになる可能性があります。
一方で、返済比率が50%以内であれば収支にある程度のゆとりが生まれ、突発的な支出にも柔軟に対応できます。金融機関からの評価も安定しやすく、将来的な追加融資にも良い影響が期待できます。
物件の選定や融資の条件を決める際は、単に利回りだけを見るのではなく、返済比率という「支出の割合」にも目を向けることが大事です。安易なフルローンや高額借入に頼らず、無理のない範囲での運用を心がけましょう。
不動産投資の返済比率が高いことによる5つのリスク

不動産投資において返済比率が高すぎると、収益性が損なわれるだけでなく、経営そのものが不安定になってしまうリスクがあります。短期的には家賃収入で返済できていても、空室や突発的な支出が重なると、すぐに資金繰りに行き詰まることもあるため注意が必要です。
ここでは、返済比率が高いことによって生じる5つの具体的なリスクについて解説します。物件選定や融資の判断材料として、ぜひ参考にしてください。
空室時の返済負担が重くなる
返済比率が高いと、満室であればなんとか成り立っていた収支が、空室によって一気に赤字へ転落してしまう恐れがあります。空室が長引くと、返済を自己資金で補填しなければならなくなるケースもあり、結果的に手元資金が尽きるリスクも高まります。
投資家が返済比率60%超で物件を購入したものの、1部屋の空室が3ヶ月続いただけで毎月のキャッシュフローがマイナスになり、最終的に物件を手放す事態になった例もあります。返済比率が低ければ、一定の空室リスクにも耐えられる余力があるでしょう。一方で比率が高いと、ほんの少しのブレで破綻につながるリスクがあります。
管理・修繕に必要な資金が確保できなくなる
不動産投資において、建物の劣化や設備トラブルは避けられませんが、資金に余裕がなければ対応が後手に回ってしまいます。結果として入居者からの印象が悪化し、退去や空室が増えるという悪循環に陥ることもあります。
返済比率が高い場合、このような突発的な出費に対応するための「余剰資金」が確保できず、共用部分の不具合やエアコンの故障といった不具合対応も後回しになりがちです。不動産経営の維持管理に必要な予算を確保する意味でも、返済比率の抑制は重要です。
金融機関からの追加融資が難しくなる
不動産投資を拡大するうえで、次の物件購入や大規模修繕に備えた「追加融資」は大きな武器になります。しかし返済比率が高く、返済負担が大きい状態では与信枠が限られ、新たな融資を受けにくくなる可能性があるでしょう。
たとえ現在の返済が滞っていなくても、家賃収入に対して負担が大きすぎると評価され、追加の不動産購入やリフォームローンの申請が難航する恐れがあります。返済比率は今だけでなく、将来の信用力にも影響する指標です。
物件価値の向上に投資できず競争力が下がる
入居者ニーズの変化や競合物件の増加に対応するには、継続的なリフォームや設備投資が不可欠です。しかし返済比率が高いと、資金の大半がローン返済に充てられ、物件価値向上に投資する余力がなくなります。競合物件との差が開き、選ばれにくい状態になるでしょう。
結果として家賃を下げざるを得なくなり、返済にさらに余裕がなくなる悪循環を招きます。築年数が経過しても一定の賃料を維持するためには、タイミングを見て内装や設備のリニューアルが必要です。返済比率が適正であれば、資金に余裕が生まれ、オーナー自身が主体的に経営判断を下すことができます。このように、柔軟な判断が可能になることが、不動産経営の安定化につながるでしょう。
延滞により信用情報に傷がつく
収支に余裕がないと、ちょっとしたトラブルや入居者の家賃遅延によって、オーナー自身のローン返済が遅れることがあります。ローンの支払いが所定の期日を過ぎてしまうと、金融機関から「延滞」として扱われ、信用情報機関にその記録が残ってしまう場合があります。この「延滞履歴」は、たとえ一度の延滞であってもマイナス評価となり、今後のローン審査や借り換えの際に不利に働く可能性があるため注意が必要です。
金融機関は信用情報を元に審査を行うため、延滞が記録されていると住宅ローンや教育ローンなどの融資にも悪影響を及ぼしかねません。こうした連鎖を防ぐためにも、返済比率は常に余裕を持たせることが賢明です。
不動産投資で返済比率を抑える5つの方法

不動産投資において「返済比率」は、収益性や安定性を左右する重要な指標です。ローン返済の負担が大きすぎると、空室や突発的な支出が発生したときに経営が行き詰まる可能性があります。
ここでは、返済比率を抑えて健全な賃貸経営を続けるための5つの具体策を紹介します。これから物件を購入する方、すでに物件を所有しているオーナーにも役立つ実践的な内容です。
頭金を増やして借入額を減らす
最も基本的な方法が「頭金を多めに入れて借入金額を減らす」ことです。例えば、購入価格の30%を頭金として用意できれば、残りの70%だけをローンで借りるため、月々の返済額を抑えることができます。
結果として返済比率も低くなり、空室や家賃下落への耐性が強くなります。金融機関によっては頭金の割合が多いほど融資条件が優遇されることもあり、低金利での借入が可能になるケースもあります。
ただし、頭金に資金を全額投入しすぎると手元の資金が不足し、突発的な修繕費や運転資金に対応できなくなるリスクもあります。最低でも、家賃収入の数カ月分程度のキャッシュを手元に残すことが重要です。資金計画を立てる際は「安全な返済比率」と「資金の余裕」の両立を意識しましょう。
金利交渉や融資条件の改善
すでに不動産投資ローンを利用している場合でも、返済比率を改善する余地は十分にあります。特に有効なのが「金利の見直し」です。借入から数年以上が経過し、返済遅延などがなければ、金融機関に対して金利の引き下げを交渉できる可能性があります。
また、他行のローン条件を提示して比較交渉するのも有効な戦略です。ネット銀行やノンバンク系の金融機関は低金利競争を積極的に行っているため、複数の選択肢を持っておくことで交渉を有利に進められます。
さらに、金利交渉の効果は返済比率の改善だけでなく、キャッシュフロー全体の安定にも直結します。わずか0.5%の差でも、長期間で見ると数十〜数百万円規模の節約となるため、軽視はできません。返済条件の見直しは、不動産投資における重要なメンテナンスともいえるでしょう。
以下は、金利が0.5%変動するだけで返済比率がどの程度改善されるかを示したシミュレーションです。
例)借入額7,000万円・30年返済・元利均等・金利3.0%→2.5%に変更
項目 | 金利3.0% | 金利2.5% |
---|---|---|
年間家賃収入(A) | 約590万円(想定) | 約590万円(想定) |
年間ローン返済額(B) | 約354万円 | 約332万円 |
返済比率(B÷A) | 約60% | 約56.3% |
年間返済額の差 | ー | 約22万円 |
金利が0.5%下がるだけで返済比率が3.7%改善され、年間返済額も約22万円削減されることがわかります。こうした積み重ねが、長期的な投資経営の安定につながります。
家賃収入を上げる施策を行う
返済比率は家賃収入が分母となるため、収入を増やすことで相対的に比率を下げることが可能です。築古物件であっても、内装の一新や以下のような人気設備の導入により、家賃アップが実現できます。
- Wi-Fi無料
- 高速インターネット
- 宅配ボックス
- システムキッチン
- 追い焚き機能付きバス
- 24時間ゴミ出し可
他にも最近では「サブスク型設備(Netflix無料、家具付き)」といった差別化要素が家賃アップに貢献している事例も増えています。
また、フリーレントや広告料の調整によって、空室期間を短縮することも重要です。たとえば、繁忙期に仲介業者へのインセンティブを強化すれば、早期入居に繋がるケースもあります。稼働率の向上と家賃設定の見直しは、物件価値の向上にも直結します。
長期ローンを活用する
ローンの返済期間を延ばすことで、月々の支払額が減少し、返済比率も低くなります。例えば20年返済から30年返済に延長できれば、毎月の返済額が大幅に軽減され、収支にゆとりが生まれます。その分、空室や修繕リスクに対する耐性が高まるのがメリットです。
ただし、返済期間の延長は物件の築年数や評価によって制限を受けるため、すべてのケースで適用できるわけではありません。また長期ローンは総返済額が増えるため、長期的な視点での損益もシミュレーションしておく必要があります。
利回りの高い物件を選定する
投資対象の物件を選ぶ段階で、利回りの高い物件を選べば、自然と返済比率も抑えられます。例えば同じローン条件でも、表面利回り8%の物件と6%の物件では、収入が大きく異なり収支にも差が出ます。特に中古アパートや地方の築古物件は利回りが高く、返済比率を抑えやすい傾向にあります。
ただし、利回りが高い物件にはそれ相応の空室リスクや賃料下落のリスクも伴うため、入居需要の有無や周辺エリアの賃貸市場をしっかりリサーチする必要があります。一方で都心部の物件は、利回りが低めでも安定した入居が期待できるため、トータルでのバランスを見ながら選定することが大切です。
購入前には「表面利回り」だけでなく「実質利回り」や、将来の収支シミュレーションも併せて確認しておきましょう。
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