- 不動産投資の基礎知識
不動産投資における「区分」と「一棟」の違いを解説!区分マンション投資を成功させるポイントも紹介

将来のために資産を増やしたいと考え、不動産投資に興味を持っている会社員の方もいらっしゃるのではないでしょうか。「一棟アパートは儲かりそうだけど難しそう」「まずは手軽な区分マンションからが良いか」など、いざ始めようとすると「区分」と「一棟」のどちらを選ぶべきか迷ってしまう方は多いです。
実は、この2つの投資手法にはそれぞれ明確なメリット・デメリットがあり、目的や状況によって最適な選択が異なります。この記事では、不動産投資の「区分」と「一棟」の具体的な違いを5つの視点から比較し、どちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。自身に合った投資法を見つけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産投資における「区分」と「一棟」について解説

不動産投資には「区分」と「一棟」という手法があり、投資規模からリスク、リターンまで性質が大きく異なります。自身に合う手法を判断するには、それぞれの特徴を正しく理解することが大切です。ここでは、区分マンション投資と一棟マンション・アパート投資の特徴を解説します。
区分マンション投資とは
区分マンション投資は、マンションの一室単位で購入し家賃収入を得る手法です。区分マンション投資の魅力は、比較的少額の資金で始められる点にあります。物件価格は数百万から数千万円台が中心で、自己資金10万円台~100万円程度で参入できます。そのため、不動産投資の第一歩として選ぶ方が多いです。
また、エントランスや廊下といった共用部の清掃や維持管理は、管理組合が委託した管理会社が担当します。オーナーは所有する一室の管理に集中できるため、手間が少ないのも特徴です。
都心の駅近など資産価値が安定しやすい物件となることが多いため、将来的に投資家だけではなく居住目的で購入している層にも売却しやすくなります。出口戦略の選択肢が多いのも、区分マンション投資の大きなメリットといえるでしょう。
一棟マンション・アパート投資とは
一棟マンション・アパート投資とは、土地を含めた建物そのものを所有し、複数戸を貸し出して賃貸経営を行う手法です。物件価格は数千万円から数億円規模となることが多く、自己資金も1,000万円以上が目安となる大規模な投資です。
一棟マンション・アパート投資の大きな特徴は、経営の自由度が高い点にあります。法律の範囲内であれば、家賃設定やリフォーム計画、外観デザインの変更まで、すべてオーナーの裁量で決定可能です。このような自由度の高さにより、物件の価値を自らの手で高められます。
一方で、入居者の募集から建物全体の修繕計画、資金繰りまで、オーナーが担う役割は事業経営そのものです。金融機関からの融資も、個人の信用力だけではなく事業計画が厳しく審査される「事業性融資」となる、本格的な投資スタイルといえます。
不動産投資における「区分」と「一棟」の5つの違い

区分投資と一棟投資の概要を理解したうえで、それぞれの違いを理解することが大切です。ここでは「区分」と「一棟」の違いについて、5つの視点から解説します。不動産投資は、資金力や投資目的、リスク許容度によって最適な手法が変わります。それぞれの違いを比較し、自身に合う選択肢を明確にしましょう。
投資規模と初期費用
区分投資と一棟投資は、投資規模と初期費用が大きく異なります。区分は一室単位、一棟は土地と建物全体を取得するためです。区分マンションは数百万円から購入できる物件もありますが、一棟は数千万円から数億円規模となることが多いです。
また、融資の種類も異なり、区分は投資用ローン、一棟は事業融資がメインとなります。この資金の差が、参入障壁の違いともいえるでしょう。
利回り
投資の収益性を示す利回りは、一般的に一棟投資の方が高くなる傾向があります。これは、物件価格に対する年間家賃収入の割合が高いためです。物件の種類や築年数で異なるため、それぞれの理想の利回りを以下の表でまとめました。
| 物件タイプ | 利回りの理想 | 
|---|---|
| 区分マンション(新築) | 3~4% | 
| 区分マンション(中古) | 築20年程度:5.5% 築20年超:7~8% | 
| 一棟マンション(新築) | 6% | 
| 一棟マンション(中古) | 7~8% | 
| 一棟アパート(新築) | 8% | 
| 一棟アパート(中古) | 9~10% | 
このように、区分よりも一棟での投資の方が利回りが高くなります。また、一棟オーナーは修繕業者の選定や管理方法の工夫が可能です。経費を自身でコントロールし、実質利回りを高められる可能性があります。
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リスク
区分投資と一棟投資では、リスクの種類と規模が異なります。区分投資の最大のリスクは、空室になると家賃収入がゼロになる点です。しかし、賃貸需要の安定した首都圏の物件を選ぶことで、この空室リスクは大幅に軽減できます。
一棟投資は複数戸で空室リスクを分散できますが、建物全体に関わる大規模修繕や災害時の損失は大きくなります。一棟投資は融資額が大きいため、金利上昇時の返済負担増も深刻な問題となるでしょう。
経営の自由度
物件運営における経営の自由度は、一棟投資が高くなります。区分所有者は、マンション全体のルールである管理規約に従う必要があります。リフォームの内容や専有部分の用途が制限されることも少なくありません。
一方で一棟オーナーは、法律の範囲内で自由に物件を運営できます。大規模リノベーションや民泊活用など、運営の選択肢が豊富です。自身の裁量で物件価値を高めたい方にとって、大きな魅力となるでしょう。
流動性
物件を売却する際の売りやすさ、すなわち流動性は区分投資が優れています。区分マンションは価格帯が低く、個人の買い手も見込めるためです。買い手の層が広いことから、市場の状況が良ければ円滑に売却できるでしょう。
一方、高額な一棟物件の買い手は法人や資金力のある投資家などに限定されます。収益性が悪化した場合、一棟物件は買い手探しに時間がかかる可能性があります。出口戦略を考えるうえで、流動性の違いは重要な判断材料となるでしょう。
区分マンション投資がおすすめな人

区分マンション投資は、ライフスタイルや資産状況に応じて無理なく始められる不動産投資の手法です。特に、以下のような方に適しています。
- 不動産投資が初めての会社員の方:一棟より初期費用が少なく、融資も受けやすいため、投資の第一歩として選ばれやすい。
- 自己資金が限られている方:少額の資金でも都心の優良物件を狙える。
- 忙しく管理に手をかけられない方:共用部は管理会社に任せられ、オーナーの業務は最小限。
- 副業として不動産投資を検討している方:日常業務に支障なく、時間の制約がある人でも運用しやすい。
- 将来の売却益も視野に入れている方:流動性が高く、タイミング次第で売却しやすい。出口戦略の柔軟性がある。
- ライフプランに応じて資産を組み替えたい方:状況に応じて物件を売却・入れ替えられる。
このように、初期費用・管理の手間・将来の選択肢という3つの観点で、会社員を中心とした忙しい方でも安心して始めやすいのが区分マンション投資の魅力です。無理のない範囲で堅実に資産形成を進めたい方には、特に有力な選択肢となるでしょう。
一棟マンション・アパート投資がおすすめな人

一棟投資は、規模の大きさゆえに万人向けではありませんが、特定の条件を満たす方には高いメリットがあります。一棟投資は、以下のような方に向いています。
- 多くの自己資金や信用力を持つ富裕層・経営者の方:事業性融資を活用しやすく、数千万円単位の物件取得に挑戦できる。
- 本業または副業として安定したキャッシュフローを得たい方:複数戸からの賃料収入により、空室リスクを抑えつつ収益を最大化できる。
- 不動産投資を事業として経営したい方:リノベーション・賃料設定などを自由に判断し、物件価値を自ら高められる。
- 資産管理法人を活用した節税や相続対策を検討している方:減価償却・相続税評価額の圧縮など、不動産特有の税制メリットを得られる。
- 中長期的に収益を積み上げていきたい資産形成志向の方:物件規模を拡大しながら、ポートフォリオ全体で収益性を設計できる。
このように、一棟投資は「経営者マインド」や「税務知識」を活かせる投資手法であり、資産運用と節税を同時に実現したい方に最適です。自らの意思で経営判断を下し、収益と資産の両面でスケールアップを目指す方にこそ、挑戦する価値があるといえるでしょう。
区分マンション投資を成功させる3つのポイント

「自分は区分マンション投資に向いている」と感じた方も多いでしょう。区分投資は始めやすい反面、成功させるには重要なポイントが存在します。安易に物件を選ぶと、空室や想定外の出費につながる可能性があります。ここでは、区分マンション投資で安定した収益を目指すための3つのポイントを見ていきましょう。
駅近など需要の高い立地を選ぶ
区分マンション投資に成功できるかは、立地選びが大きく影響します。空室リスクを避けて安定した家賃収入を得るには、賃貸需要がある立地であるかを見極めることが重要です。
最寄り駅から徒歩10分圏内など、生活利便性の高い場所が需要の高い立地となります。オフィス街や大学周辺など、人が集まる要因がある地域も有望です。地域の賃料相場や空室率を確認し、長く価値を保てる物件を選びましょう。
管理組合と修繕積立金の健全性を確認する
区分マンションでは、管理組合が正常に機能しているか確認することが重要です。収支報告書や長期修繕計画書を取り寄せ、積立金の状況などを確認しましょう。修繕積立金が不足すると、将来的に一時金の徴収や値上げのリスクがあります。
また、管理費の滞納率が高い場合は、居住者の管理意識が低い可能性もあります。組合の議事録にも目を通し、マンションの健全性を確認しましょう。
複数戸分散と出口シナリオを設計する
不動産投資では、空室リスクを減らすことが大切です。そのためには、1つの物件に絞らず、エリアや築年数が異なる物件を複数所有することで、リスクを分散できます。たとえば、ある物件が一時的に空室になっても、ほかの物件で家賃収入を得られれば、収支計画が大きく崩れるのを防げます。
あわせて考えておきたいのが「出口シナリオ」です。物件をいつ・いくらで売るかを、購入する前からイメージしておくことで、将来の見通しを立てやすくなるでしょう。たとえば、ローンの残りと売却価格を比べて、どれくらい利益が出るかをシミュレーションしてみましょう。
税金や仲介手数料などもふまえて、最終的に手元に残る金額を確認しておくことが大切です。また、将来その物件を買いたいと思う方が現れそうなのか、購入前に不動産投資会社に相談しておくと安心です。
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まとめ

不動産投資における「区分」と「一棟」には、投資規模からリスク、経営の自由度まで大きな違いがあり、自身の目的や資金力に合った手法を選ぶことが大切です。特に初めて不動産投資に挑戦する方には、少額から始められ、管理負担も少ない区分マンション投資がおすすめです。
不動産投資を成功させるには、正しい知識を身につけましょう。まずは信頼できる専門家に相談し、具体的な物件情報や収支シミュレーションなど、より詳しい情報収集から始めてみてください。
Q&A
Q1. 区分と一棟、資金計画の立て方はどう違う?
A. 一棟は融資額と返済負担が大きく金利上昇への備えが必須、区分は少額から始めやすく無理のない返済計画が基本です。区分は自己資金・家賃収入で毎月の余裕資金を確認し負担の軽さを重視。一棟は事業性融資を前提に、賃料下振れや空室・修繕費、金利上昇を織り込んだCFを試算し耐性をチェックしましょう。
Q2. 区分と一棟で物件選びのチェックポイントは?
A. 区分は「立地と管理の健全性」、一棟は「収益と建物・運営を自ら最適化できるか」が軸です。区分は駅徒歩10分圏など需要、賃料相場・空室率、修繕積立金や滞納率・議事録で健全性を確認。一棟は周辺需要と修繕計画、コスト削減や賃料改善の余地まで事業計画に落とすと判断しやすくなります。
Q3. 売却のしやすさ(出口)はどちらが有利?
A. 売却のしやすさは区分が有利で、一棟は買い手が限られ市況や融資環境の影響を受けやすいです。区分は価格帯が広く個人の買い手も見込め、タイミングを選びやすい。一棟は売却前に空室是正や軽微な改修、情報整備で収益指標を整えてから市場に出すと評価が安定しやすくなります。初めての不動産投資には、区分の方が取り組みやすくおすすめです。
 
 












