- 不動産投資の基礎知識
マンション経営の不動産取得税を解説!計算手順5ステップと節税に効く軽減措置を紹介

マンション経営のために物件を探し始めると「物件価格以外にもこんな費用がかかるのか」と驚く方は多いです。想定外の出費により資金計画が崩れるのでは、と不安になるのも無理はありません。特に不動産取得税の計算は複雑で、軽減措置の仕組みもわかりにくいものです。
この記事では、マンション経営における不動産取得税の計算手順を5つのステップで解説します。節税の秘訣となる軽減措置や申告・納税の流れも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
マンション経営で不動産取得税を計算する手順5ステップ

マンション経営を始める際、初期費用の中でも見落としがちなのが不動産取得税です。物件取得後に一度だけ課税される税金ですが、金額が大きくなることもあるため、納税時期や金額を想定した資金の確保が欠かせません。ここでは、不動産取得税の計算方法を5つのステップに分けて解説します。
STEP1:基本計算式と現行税率を把握する
不動産取得税の計算は、まず基本となる式を理解することから始まります。計算式は、以下のとおりです。
- 課税標準額(固定資産税評価額) × 税率
税率の標準は4%ですが、特例により土地と住宅用建物については、2027年3月31日まで3%の軽減税率が適用されます。この計算で算出されるのは、あくまで軽減措置が適用される前の基本的な税額です。
投資用マンションは原則として居住用ではないため、原則この軽減税率の対象外となる点には注意が必要です。しかし取得者が一時的に住むなど、限定的な状況では適用される可能性もあります。
STEP2:固定資産税評価額を調べる
次に、計算の基礎となる「固定資産税評価額」を調べます。固定資産税評価額は、実際に物件を売買したときの価格ではなく、市町村が税金を計算するために定めた公的な価格です。評価額を調べる主な方法は2つあります。
1つは、毎年送られてくる固定資産税の「納税通知書の課税明細書」を確認する方法です。もう1つは、物件所在地の「市町村役場で固定資産評価証明書を取得する」方法です。新築マンションでまだ評価額が決まっていない場合は、建築費の5〜7割程度を目安に考えると良いでしょう。
STEP3:土地と建物の評価額を分けて考える
マンションの不動産取得税を計算する際は、土地と建物の評価額を分けて考える必要があります。なぜなら、マンションは住戸である「専有部分(建物)」と、建っている土地の権利である「敷地権(土地)」の2つで構成されているからです。
不動産取得税は、この土地部分と建物部分それぞれの評価額を合算した金額に対して課税されます。土地部分の課税標準額は、敷地全体の評価額に自身の持つ敷地権の持分割合を掛けて算出します。軽減措置も土地と建物で、それぞれ異なる特例が設けられているため、この区別を理解しておくことが重要です。
STEP4:新築と中古の評価基準の違いを確認する
不動産取得税の基準となる固定資産税評価額は、新築と中古のマンションで決まり方が異なります。新築マンションの場合、総務省が定めた「固定資産評価基準」に基づき、各市区町村が個別に評価額を決定する仕組みです。
一方、中古マンションは3年に一度行われる「評価替え」で評価額が見直されます。中古物件は築年数の経過とともに建物が劣化するため、評価額も下がる傾向にあり、結果として不動産取得税も新築に比べて安くなることが一般的です。
STEP5:軽減措置を考慮した最終税額を算出する
基本的な税額がわかったら、最後に軽減措置が適用できるかを確認し、最終的な納税額を算出します。軽減措置を使えるかどうかで納税額は大きく変わるため、適用条件を確認することが節税において欠かせません。
まずは、軽減措置を適用しない場合の税額を出し、次に対象となる軽減措置を適用した後の税額を計算して比較します。ただし実際の税額は、物件の条件や自治体の規定によって異なります。正確な手続きや税制の適用については、税理士などの専門家へ相談しましょう。
マンションの不動産取得税の軽減措置と適用要件

不動産取得税は高額になりがちですが、国が定める軽減措置を活用することで、納税額を大幅に抑えられる可能性があります。特に、新築と中古で適用される制度が異なり、さらに土地部分にも独自の軽減措置があります。ここでは、マンション経営における不動産取得税の軽減措置の内容と、適用要件について詳しく見ていきましょう。
新築マンションの軽減措置と適用要件
新築マンションを購入する場合、自己居住用であれば建物の固定資産税評価額から一定額を差し引ける特例措置があります。一方で貸家用の区分所有マンションの場合、控除が適用されないケースが多いため注意が必要です。一般的な新築住宅で控除されるのは、評価額から一戸あたり1,200万円です。さらに「認定長期優良住宅」に該当する物件であれば、控除額は1,300万円まで拡大されます。
新築マンションの軽減措置を受けるための主な要件は、床面積が50㎡以上240㎡以下であることです。この床面積は専有部分の面積に、廊下やエントランスなどの共用部分の面積を自身の持分割合で按分して加えた「課税床面積」で判定されます。なお、バルコニーは床面積に含まれません。
中古マンションの軽減措置と適用要件
中古マンションの場合も、自己居住用として取得した場合に限り、建物の新築時期に応じて、評価額から最大1,200万円が控除される制度があります。控除額は、1997年4月1日以降の建築なら1,200万円、1989年4月1日から1997年3月31日までの建築なら1,000万円というように段階的に定められています。ただし、1981年以前に建てられた物件は、新耐震基準に適合していることの証明が必要です。
新耐震基準に適合していることを証明するには、耐震基準適合証明書や既存住宅売買瑕疵保険への加入証明書などを提出する必要があります。また、取得日前2年以内に調査が完了していることが条件となります。
土地部分の軽減措置と適用要件
マンションの土地部分についても不動産取得税の軽減措置が用意されていますが、原則として建物部分の軽減措置が適用される場合にのみ、土地の軽減も受けられる仕組みです。土地の税額から控除される金額は、以下の2つから金額が高い方が適用されます。
- 45,000円
- (土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2)×(課税床面積×2)×3%
また、宅地として評価される土地は、2027年3月31日までの特例により、固定資産税評価額が本来の価格の2分の1に軽減されます。マンションの敷地も通常は宅地とみなされるため、この特例の対象です。
マンション経営における経費処理から申告・納税の手順

不動産取得税は税額の計算だけではなく、一連の流れを正しく理解しておくことがマンション経営をスムーズに進めるうえで大切です。特に申告には期限が設けられており、手続きを怠ると軽減措置を受けられなくなる可能性もあります。ここでは、物件取得後の申告・納税スケジュールから、確定申告での経費計上に至るまでの手順を解説します。
申告スケジュールを把握して必要書類を準備する
不動産取得税における「取得日」とは、売買契約を結び、所有権移転登記が完了した日を指します。取得日から、自治体が定める期間内に申告手続きを行わなければなりません。たとえば東京都の場合は、取得日から30日以内が申告期限です。
申告に必要な主な書類は、以下のとおりです。
- 不動産取得税申告書
- 売買契約書の写し
- 登記事項証明書
軽減措置の適用を希望する場合は、これに加えて「建築確認通知書」や「耐震基準適合証明書」といった追加書類が求められます。申告書は各都道府県のWebサイトからダウンロードできるため、早めに準備を始めましょう。
申告手続きを正しく行う
不動産取得税の申告は、管轄の都道府県税事務所へ郵送または窓口に直接提出する方法があります。時間がない方は郵送が便利ですが、書類に不備がないか不安な場合は、窓口で担当者に確認してもらいながら提出すると安心です。
申告書には物件情報や取得日などを正確に記入し、特に軽減措置を申請する際は、該当項目に忘れずにチェックを入れる必要があります。申告の流れや手続きでわからないことがあれば、税理士などの専門家に相談することで、ミスなく手続きを進められます。
納税通知書を受領して支払いを行う
申告手続きが完了すると、数ヶ月から半年ほどで都道府県税事務所から「納税通知書」が郵送されてきます。納税通知書が届けば、記載された金額と納付期限に従って税金を支払います。主な支払い方法は、以下のとおりです。
- 都税事務所、金融機関、郵便局の窓口
- スマートフォン決済アプリ
- ペイジー(Pay-easy)
特別な事情がある場合は分割払いも相談できますが、納付が遅れると延滞金が発生するため注意が必要です。また、もし軽減措置の申告前に満額を納めてしまった場合でも、後から還付手続きが可能です。
マンション経営の経費として正しく処理する
マンション経営において、支払った不動産取得税は「租税公課」という勘定科目で経費として計上できます。経費計上のタイミングは、実際に税金を支払った年です。たとえば、2025年に物件を取得し2026年に納税した場合、2026年分の経費として処理します。
不動産取得税やその他の経費を計上することで、所得税・住民税の節税効果が期待できます。しかし、ワンルームマンション投資の場合、その効果は限定的です。一般的に年収が高い方ほど効果を感じやすい傾向にありますが、不動産取得税による節税には限界があるため、過度な期待は禁物です。節税だけを過度に期待するのではなく、あくまで長期的な資産形成の一環として捉えることが肝心です。
減価償却費と区別して適切に管理する
不動産取得税を経費処理する際に、減価償却費と混同しないように注意が必要です。不動産取得税は、支払った年に一括で経費計上する「費用」です。一方、マンションの建物部分の購入代金は、法定耐用年数にわたって分割して経費計上する「減価償却費」という扱いになります。
不動産取得税は、物件の購入代金である取得価額には含めず、単独の費用として処理しなければなりません。この2つは会計上、全く性質の異なる経費であると理解しておきましょう。
不動産取得税を理解して安定したマンション経営を実現する方法

マンション経営を成功させるためには、不動産取得税のような一時的な支出だけではなく、長期的な視点での計画が不可欠です。税金の知識を深めることは、健全なキャッシュフローを維持し、予期せぬ出費に備える第一歩といえます。ここでは、不動産取得税の理解を踏まえ、安定したマンション経営を実現するための2つのポイントについて解説します。
初期費用を把握した資金計画を立てる
安定したマンション経営の秘訣は、精度の高い資金計画にあります。特に、不動産取得税や登記費用といった初期費用を事前に漏れなく把握しておくことで、購入後のローン返済や生活費の支払いで困らないように備えられます。
物件価格だけに目を向けるのではなく、諸費用を含めた総額で資金計画を立てることが重要です。物件選びの際は、目先の費用だけではなく、長期的な収益性や資産価値まで見据えて判断することが、安定したマンション経営につながります。
信頼できるパートナーを見つける
マンション経営は、税金の手続きから物件の選定、購入後の賃貸管理まで、幅広い専門知識が求められます。そのため、一人ですべてを完璧に進めるのは簡単ではありません。マンション経営を成功させるには、信頼できるパートナーの存在が不可欠です。
物件を販売して終わりではなく、購入後の入居者募集や家賃管理、さらには毎年の確定申告のサポートまで、一貫して相談できる不動産会社を選ぶことが重要です。物件の提案から運営、将来の出口戦略(売却)までをワンストップで任せられるパートナーを見つけることが、安定した資産形成への近道となるでしょう。
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まとめ

マンション経営における不動産取得税は、金額が大きくなることもあるため、不安に感じるかもしれません。しかし、その計算の仕組みや軽減措置を正しく理解すれば、計画的に備えることができ、過度に恐れる必要のない税金です。
まずは、活用できる軽減制度を最大限に使って初期負担を抑え、その上でローン返済を家賃収入で賄う長期的な資金計画を立てることが重要です。そして、こうした計画の実現には、税理士や不動産会社などの信頼できるパートナーのサポートが欠かせません。税金への正しい理解は、自信を持って資産形成を進めるための力強い土台となるでしょう。
Q1. 投資用マンションでも不動産取得税の軽減は受けられる?
不動産取得税を安くする特例(軽減措置)は、原則として自分で住むための家(住宅用)が対象となっています。そのため、純粋に人に貸す目的の投資用マンションは、残念ながらこの軽減措置を受けることができません。軽減を受けるには、建物の広さや耐震性など、国が定めたいくつかの要件を満たした上で、自分で住むことが必要です。土地の税金が安くなる特例も、建物が住宅用と認められた場合に適用される仕組みになっています。
Q2. いつ・どうやって納める?申告を忘れるとどうなる?
この税金は、物件を取得した後、都道府県の税事務所に自分で申告する必要があります。申告の手続きを終えると、数ヶ月から半年ほど経ってから、自治体から納税通知書がご自宅に届きますので、それを使って銀行などの金融機関で税金を納めます。申告の期限は自治体によって異なりますが、もし申告を忘れたり、期限を過ぎてしまったりすると、本来受けられたはずの税金の軽減が適用されなくなり、予定よりも高い税金を払うことになったり、税金を遅れて納めたことによる延滞金が発生したりする恐れがあります。必要な書類を早めに準備して、期限内に申告を済ませましょう。
Q3. 計算で勘違いしやすい点と経費処理は?
不動産取得税の計算で最も勘違いしやすい点は、税金をかける基となる評価額です。これは、あなたが実際に物件を買った売買価格ではありません。市町村が定めている固定資産税評価額という公的な評価額が使われます。この税金は、土地と建物の評価額を基にそれぞれ別々に計算されます。税率の原則は4%ですが、自分で住む住宅用の特例が適用される場合は3%になります。この不動産取得税を会計上、経費として処理する際は、物件の取得費用には含めず、支払った年の「租税公課」(税金や公的な費用)という勘定科目で全額を一度に経費に計上します。建物の価値を少しずつ費用にする「減価償却」とは区別して管理する必要があります。













